運慶と快慶は鎌倉時代に仏師慶派を束ねていた康慶(運慶の父)に師事した兄弟弟子です。仏師として活躍して名を上げ、国宝や重要文化財に指定されるような、優れた仏像を多く制作しました。それらは奈良県内の寺院にも継承されており、本尊などとして安置されています。
本記事では、奈良県内の寺院で拝観できる、運慶、快慶の仏像を紹介します。力強さが特徴の運慶作、繊細な表現を得意とした快慶の作、それぞれが祈りの対象であるばかりでなく、究極の芸術作品ともいえる尊さをまとっています。
◆東大寺(奈良県奈良市雑司町406-1)
南大門「金剛力士像」(運慶、快慶ら)※拝観可能
俊乗堂「阿弥陀如来立像」(快慶)※毎年7月5日と12月16日に特別開扉
勧進所八幡殿「僧形八幡神坐像」(快慶)※毎年10月5日に特別開扉
公慶堂「地蔵菩薩立像」(快慶)※公慶堂は毎年10月5日のみ公開
◆興福寺(奈良県奈良市登大路町48)
北円堂安置の「弥勒如来坐像」「無著菩薩立像」「世親菩薩立像」(いずれも運慶が制作統括)は、春と秋に特別公開されます。
◆円成寺(奈良県奈良市忍辱山町1273)
「大日如来坐像」(運慶)
相應殿に安置されています。運慶最初期の作で、自筆の墨書銘があります。正面と左右側面から拝観することができます。
◆安倍文殊院(奈良県桜井市阿部645)
「騎獅文殊菩薩像」など(快慶)
建仁3年(1203年)に快慶によって造立された文殊菩薩像は台座の獅子を含めて高さ約7メートルもあり日本最大です。脇侍を務める善財童子像、優填王像、須菩提像のいずれも快慶の作で、宋印作の維摩居士像を含め、「渡海文殊菩薩群像」は5体そろって国宝に指定されています。本堂にて拝観できます。
◆安養寺(奈良県田原本町八尾40)
「阿弥陀如来立像」(阿弥陀堂/快慶)が春と秋に特別公開されます。
※2026年は、春(3月14日~22日)、秋(9月19日~27日)です。
◆西方院[唐招提寺塔頭](奈良県奈良市五条町13-46)
「阿弥陀如来立像」(快慶)
鎌倉時代創建の西方院は、唐招提寺から近鉄橿原線を挟み、約300メートル西にあります。ご本尊の阿弥陀如来立像(重文)の左足ほぞに「巧匠法眼快慶」とする墨書銘が確認されており、快慶晩年の作として知られます。
※年一度(例年5月)、特別公開されます。
◆光林寺(奈良県川西町保田43-1)
「阿弥陀如来立像」(快慶)
ご本尊の木造阿弥陀如来立像は、足枘に「快慶承久三年法眼快慶」の銘があり、快慶の最晩年の作とされています。※拝観は要事前予約
