• モデルコース

ここも見てほしい奈良の名所めぐりコース(奈良公園エリア)

奈良公園エリアの名所は、観光パンフレットに紹介されているスポットにとどまりません。メジャースポットではありませんが、「通りすがりでもいいので、ぜひ見てみてください」とおすすめしたくなるスポットがあります。

奈良公園、鹿、若草山、世界遺産の東大寺・興福寺・春日大社、ならまち…等々、奈良を観光で訪れた皆さんは、こうしたメジャースポットに足を運ぶでしょう。そこには、奈良の歴史と自然、営みの魅力が詰まっています。

 

でも実は、奈良公園エリアの名所は、観光パンフレットに漏れなく紹介されているスポットにとどまりません。「絶対訪れるべき」なんてことは言いませんが、「通りすがりでもいいので、ぜひ見てみてください」とおすすめしたくなるスポットがあります。

 

奈良公園エリアの隠れた推し名所をめぐってみましょう。

スタート

大阪(なんば)や京都、神戸三宮からアクセス便利な近鉄奈良駅から出発します。

1 近鉄奈良駅

2 高札場(登大路高札場跡)

地下にある近鉄奈良駅から地上へ上がり、東向商店街をぶらぶらと歩き始めます。商店街のアーケードを抜けたところが、観光客でにぎわう三条通りです。高速おもちつきで人気のお店を過ぎて猿沢池方面へ向かうと、文字が書かれた板が並べて立ててあるのが見えてきます。「高札場」です。

 

高札場は、江戸時代に奉行所が、町民が日常生活で守らなければならないルールを木札に書いて示した掲示板のこと。書かれた内容は興味深いものばかりです。

 

たとえば、「毒薬ならびににせ薬種売買の儀堅く禁制也」、「にせ金銀売買一切停止たるへし」などとある札が掲げられた頃は、奈良にニセモノや詐欺が横行していたのでしょうか。

 

「奈良公園をすみかとせし鹿に申し渡す」の札には、「道路横断の時は左右確認を怠るべからず」、「人に愛される鹿たるべく日々研鑽すべし」などと書かれ、鹿さんも楽じゃないねぇと感じてしまいます。

 

〒630-8213 奈良県奈良市登大路町9

3 率川地蔵尊(いさがわじぞうそん)

世界遺産・興福寺の南側、猿沢池から「ならまち」へ向かう道中、川(率川)を渡る小さな橋があります。橋の支柱に「明和七年」(1770年)と彫られている「嶋嘉橋」です。

その橋から下を覗くと、舟形をした中洲に地蔵尊・石仏が約40体、乗っているのを見ることができます。

 

この「率川地蔵尊」は、幕末の頃、河川工事の際に掘り出された地蔵尊・石仏を集めてお祀りしたものだとされています。

赤い前掛けをつけた小さなお地蔵さまたちがかわいらしいです。

 

〒630-8221 奈良県奈良市元林院町18

4 洞水門(どうすいもん)

猿沢池から今度は東へ。国道を渡り、奈良公園エリアのメジャースポットのひとつである浮見堂までやってきました。

絵になる浮見堂につながる木橋のたもとに「洞水門」があります。

 

柄杓(ひしゃく)で水をすくい、それを玉砂利の上から注ぐと…あら不思議。

カラン♪キラン♪コロン♪と軽やかな高音が地面の下から聞こえてきます。

 

仕掛けはというと、地中に瓶を埋めるなどして空洞をつくり、そこに落ちる水が反響して、和琴をつまびくような、鉄琴や木琴を叩くような、透明感のある音色が響いてくるというわけです。

 

派手さはありませんが、耳にも、心にも残響する古都の音色を奏でてみてください。

 

〒630-8301 奈良県奈良市高畑町1179

5 鷺原道の楠

世界遺産・春日大社境内地の飛火野(とびひの)の南端にそびえるクスノキの巨樹。

このクスノキを知らしめているのは、樹高約24m、幹周り約7.2mのスケールに加え、過去複数回(8回とか)も落雷を受けて、主幹が空洞になってなお、旺盛に枝葉を伸ばしている生命力のたくましさにあります。

 

傷つけないようにそっと近寄り、空洞から巨樹を仰ぎ見て、その生命力に触れてみてください。

 

〒630-8212 奈良県奈良市春日野町

6 天神社下の児童公園

こちらは「名所」ではありません(恐縮です)が、特にお子さんをつれたファミリーの方にお知らせしておきたい児童公園です。

 

実体験から申しますと、奈良公園エリアで各所を観光していると、お子さんたちは次第に、寺社めぐりも、鹿さんと遊ぶのにも飽きてきます。児童公園はそんなときの気分転換にピッタリ!

 

小さな児童公園ですが、ブランコ、滑り台、ジャングルジム、鉄棒などがあり(2025年8月確認)、観光の合間のひととき、お子さんと一緒に遊べます。

 

奈良公園エリアは遊具のある児童公園が少ないので、お子さんが退屈したとき、ここは重宝します。

 

〒630-8301 奈良県奈良市高畑町1198

7 瑜伽(ゆうが)神社

ある秋の、紅葉が散り始めた頃のこと。一本の路地で、2基つづく朱色の鳥居が目に留まりました。鳥居の奥には、立派な(段数多めの)石段が上へ延びています。そこをのぼると、紅葉に囲まれた朱色の社殿がありました。

 

宇迦御魂大神を祭神とする瑜伽(ゆうが)神社です。

 

もともと元興寺禅定院の鬼門鎮守の社でしたが、平安時代に興福寺の大乗院の鎮守社となりました。

 

祭神は、別名豊受大神といい、一粒万倍の豊穣をもたらす大神様です。子孫繁栄、縁結び、商売繁盛などの福徳を招来し、守護してくださる神様としてあがめられています。

 

境内に、大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)の万葉歌「ふるさとの飛鳥はあれど青丹より 平城の明日香を見らくしよしも」の歌碑が建てられています。

 

〒630-8301 奈良県奈良市高畑町1059

8 名勝旧大乗院庭園(名勝大乗院庭園文化館)

奈良ホテルの南に隣接する、国名勝指定の庭園です。

 

大乗院は、1087年に創建された興福寺の門跡寺院で、庭園は室町時代の徳政一揆で荒廃しましたが、将軍足利義政から同朋衆にとりたてられた善阿弥によって改造されました。

 

1994年から庭園全体の整備が始まり、江戸時代末期の門跡・隆温が描いた『大乗院四季真景図』をもとに復元工事が進められました。その後、平城遷都1300年記念事業にあわせて2010年から一般公開が始まりました。

 

朱色のそり橋は緑の植栽や池の水面に映え、春にはウメやモクレン、夏にはサルスベリ、秋には紅葉したモミジなどが鮮やかに庭園を彩ります。

 

〒630-8301 奈良県奈良市高畑町1083-1

[開園時間]9:00~17:00
[休園日]月曜(祝日・休日の場合は開園し、翌平日休園)、祝日の翌日(土日曜除く)、年末年始(12月26日~1月5日※1月1日~3日に臨時開園する場合あり)
[料金]
名勝旧大乗院庭園/大人(高校生以上)200円、子ども(小中学生)100円
名勝大乗院庭園文化館/入館・見学無料
※トイレあり

9 近鉄奈良駅

ゴールお疲れ様でした!

Hashtags