『古事記』編さん者の太安万侶の銅板墓誌が国宝へ!
文化庁の文化審議会は3月21日、太安万侶(おおのやすまろ)の墓誌や法隆寺に伝わる日本最古の伎楽面など4件を<国宝>に指定するよう、文部科学相に答申しました。
現存する日本最古の書物である歴史書『古事記』を編さんしたことで知られる太安万侶は、飛鳥時代~奈良時代の貴族。史料に乏しく、実在したかどうかを含め、謎が多い人物でした。
しかし、1979年、奈良市の茶畑で、ある墓が発見され、そこから古事記などの記載と一致する太安万侶の名前や位階、居住地などが記された銅板製の墓誌が出土しました。
日本の歴史について、現在も依拠するところが大きい古事記を成立させた太安万侶に関する一級資料が、国宝に加わることになります。
銅板の墓誌は現在文化庁所蔵ですが、奈良県立橿原考古学研究所附属博物館では、火葬墓である太安万侶の墓などを紹介する常設展示があります。
また、奈良市此瀬町の茶畑を望む傾斜地に「国史跡・太安万侶墓」があり、見学することができます。